fujitajyunpeeeeeeeeeeeee

記事一覧(39)

明日から音楽家として生きていく人へ②

セルフプロモーションに必要なツールマスコミ各社や演奏会の主催者、ブッキング担当者など、お客様とあなたの間に入っている人、つまりあなたに仕事を依頼してくれる人たちへ、あなた自身の事を簡潔にまとめた資料を渡す習慣をつけましょう。以下にあげるものを最低限持っている必要があります。いや、絶対に必要なのかと言われれば、必ずしもそうではないものの、あった方が良いです。資料を持っている人と、もっていない人が仮に同時にプロモーションに訪れたとして、チョイスする側が信頼しやすいのはどちらでしょうか。自身の演奏活動を広めるにあたって、よりベストを尽くしているといえるのはどちらでしょうか。ここに紹介するものを作成することは決して難しくはないので、ぜひ作ってみて欲しいです。○名刺・・・これは基本中の基本ですね。○メールアドレス個人間や友人関係同士の業務連絡はLINEやメッセンジャーなどのコミュニケーションアプリで大体のことは事足りますが、企業相手だったり、たとえば演奏会の主催者側が一斉に大人数と連絡を取る場合、今でもメールを主体としている事が多いのです。また、ファイルや楽譜の添付にも重宝するので、必ず1つはメールアドレスを作っておきましょう。※メールアドレスはどこで作ればよい?→迷惑メールに分類されてしまう可能性があるものの、最初はgmailやyahooメールなど、フリーのもので充分です。icloudのメールアドレスでももちろんOK。料金を支払えば、独自ドメイン(@以降を指定できる)アドレスも使用可能となります。詳細は、各ホームページ等を確認してほしい。電話番号・・・フリーの音楽家の場合、携帯電話の電話番号で良い。住所・・・特に女性奏者の場合、自宅住所を載せるのは避けた方が良いです。楽譜などの郵送の必要がある場合は、担当者にのみ教えるという対応が必要でしょう。○紙資料セルフプロモーションの要と言えるのが紙資料です。紙資料とは、プロフィールを紙に纏めたもの。レコード会社や芸能事務所では、タレントの売り込みの為に必ずこの資料を用います。また、特にマスコミ各社へプロモーションをする場合、先方としてもこれを貰える事が前提となっている事が多く、紙資料がないという事は、あなたが検討の俎上に乗らない可能性があり、致命的なのです。内容はなるべく、簡潔に。読む人の負担を考えると、できればA4、1枚(両面)。多くても両面記載で2枚程度が理想ではないでしょうか。要するに、あなたが誰で、どんな事をしている(したい)人なのかが伝わるのもであれば良いです。上記踏まえたうえで、紙資料には以下の事項を最低限記載します。○写真演奏家として活動する際に使用する写真。アーティスト写真とも呼ぶ。バストアップのものを最低1枚。あなたの個性と魅力がうまく表現されているものを選んでほしい。○名前基本的には本名で活動すると思いますが、「ドン小西」「つのだ☆ひろ」のような芸名でも構わないでしょう。○プロフィールここに記載するのは、「○×音大卒業。トランペットを某氏に師事、~」のような、出身大学・師事歴、コンクール歴などを書いた一般的なもので構わないです。そういう杓子定規なのではなくて、例えば「こりん星から来ました!♡」みたいな感じで奇をてらっていきたい、新しい感じにしたいという人は、それでも問題なし。しかし、あまり独りよがりにならず、相手に情報が正確に伝わるものにする事が望ましい。ただの調子に乗ったバカだと思われないように気を付けましょう。もちろん、箇条書きでも構いません。○今後の活動予定日時や、会場名、公演名など決まっている範囲で全て記載しましょう。どんなに小さな事でも、人前で演奏する内容はもれなく全て書くことが重要です。なぜならば、自分にとってちっぽけなことでも相手によっては興味を持ってくれるかもしれないし、例えばその件が番組等で扱うネタと繋がっていたりする可能性もあり、そこから話題が広がるかもしれないからです。例20○○/○/○@××ホール 「ソロリサイタル~ウィーンの風~」20○○/○/○@××ホール 「AB交響楽団○回定期演奏会」オーケストラ奏者として賛助出演20○○/○/○@××サロン 「公演タイトル」弦楽四重奏のチェロ奏者として出演など。自分がメインの場合でも、賛助の場合でも、相手にきちんと伝わるように記載した方が良いです。特に、アマチュアオーケストラで演奏する場合でも、必ず記載しましょう。理由としては、第一に、オケがアマチュアかプロかという尺度を、一般の人はもっていないことが多いのです。第二に、アマチュアオーケストラの人脈は侮れず、資料を渡した人とそのオーケストラの誰かが繋がっている場合もあり得ます。とにかく、人前でやる演奏は全て記載しhましょう。さらに、代表的な演奏曲を記載するのも親切で喜ばれます。そして、適宜アップデートすることも忘れないようにしましょう。○活動履歴「今後の演奏予定」で記載したものの中から、終了したものを活動履歴に移していきます。相手に渡すときにどれくらい過去のものまで残しておくかについては、分量にもよりますが、だいたい半年から1年分が目安です。それ以上古い物は、自分にとって転機になったものや、業績として残したいものだけをピックアップして記載しましょう。紙資料の総量が3枚を超えない範囲で、あなたの裁量で調整して下さい。○映像/音源自分の映像や音を収めたCDR、DVDの類をコピーして持ち歩いても良いですが、最近はYoutubeのような場所にアップして、タブレット端末などでその都度聴かせて回るという形が多いです。専門業者に制作してもらった素材があればもちろんそれに越したことはないですが、序盤の活動では無理して予算を投入する必要もありません。要は、伝われば良いのです。これは私の感覚に過ぎませんが、プロ相手にアピールする場合、映像の編集クオリティはあまり関係ないように思います。素人相手の場合ほど、綺麗に商品のように作った方が喜ばれます。※では、どんな素材を用意するか→これはあなたがどのような活動をしていきたいのか、何をプロモーションしたいのかにもよりますが、大まかには言えば、3分程度に抜粋、あるいはその程度で終わる作品を、タイプ別に2~3曲ほど準備するだけで良いです。ただ、その中に1曲誰が聞いても知っている有名曲を入れておく事をお勧めします。玄人好みの選曲などという事は考えず、あくまでも、あなたに興味のない人に、少しでも興味を持ってもらうには何を届ければ良いかという点を重視して選んでみましょう。そのうえで、いくつか典型的な場面を想定して、以下の通り記載します。○次回の演奏会を宣伝するには→《その中で最も有名な作品を紹介できる環境を整えておく》クラシックの奏者にとっては有名な作品でも、一般的には全く知られていないという事はよくあります。あなたの演奏でなくても構わないので、youtubeに公開されているページをブックマークなどしておいて、「たとえばこんな曲をやります」という風に、いつでも見せられるようにしておくと良いでしょう。○あなた自身をプロモーションするには→簡単な動画を撮影して、youtubeにアップしておくと良いです。シチュエーションや曲などは、自問自答して、あなた自身の魅力と活動が最も伝わりやすい物を準備しましょう。必ずしもお金をかける必要はありません。

明日から音楽家として生きていく人へ①

この記事の目的は、エイベックスでアーティストプロモーションを経験し、今は指揮者として活動する私が、明日から音楽家として生きていく若い人たちに知ってほしい事をまとめながら作った記事です。プロダクションでやっていることを自分で出来るようになる。これには特別な資格が必要なく、誰にでも出来ることです。実践するかどうかは別として知っていた方が得です。数年前に書いたものを纏めなおしながら投稿していますので、文末表現が統一されてなかったりしますが、大意は伝わると思いますのでその点多めに見て下さい。随時編集していきます。序文に代えて演奏家に限らず、個人事業主として芸術的活動をしていく人のスタイルは様々で、ある人にとっての正解が全員にとっての正解ではありません。さらに、個人事業である以上安定給与は発生しないので、流行も人々の嗜好も日々変わる中で常に生業で結果=利益を出し続けなければならないのです。これは、いつ雨が降るかも解らず、誰が見に来てくれるかも解らない中で咲き続ける事を運命づけられた、崖に根を張る一輪の花のようなもの。世間は職業芸術家に対して、「好きな事をやっているのだから幸せだ」とか「遊んで食べている様なものだ」といった風で時に冷たいのですが、実際にはそう楽しい仕事でもなく、ほとんどの演奏家は物心ついた時から楽器を持っていて他に選択肢の無い中、「神の見えざる手」によって導かれ、音楽の道を歩んでいるのではないでしょうか?気が付けば生きるためにやりたくないことが7割。これは、公務員であろうと、会社員であろうと、どんな職種で夢を叶えた者であっても同じです。そんな中、セルフプロデュースの方法を一定の方向から論じることに関しては限界があろうかと思います。今から読むことはあくまでも1例であるという事をご理解頂き、役に立ちそうな部分は真似するも良し、工夫しながら自身の活動に生かしてほしいと思います。この記事が対象とする音楽家の定義は?一口に音楽家と言っても様々な人が居る。大きく分けると、1会社員としての収入を得て、余暇に趣味として音楽を楽しむ、休日音楽家2事務所に所属して、マネージメントスタッフが居る、職業音楽家3親やパトロンなどが居り、住居費や生活費などのお金に全く困らない、愛玩音楽家4上記のどれにも当てはまらないが、日本国内で全く自立して音楽家として生計を立てて行こうと希望する音楽家。(ただし、空き時間にアルバイトをしている者も含む)または、上記のいずれかに当てはまるが、これになりたいと思う人たち。私としては主に4に近い人たちを対象に書いています。具体的には、音楽大学や音楽専門学校を間もなく卒業する者、卒業したばかりで何から手を付ければ良いのか解らない者のうち、社会に出たことのない人たちです。(参考)そもそもいくら稼げばよいのか一般的な会社員の平均年収が400万程度と言われていますが、人並、平均の生活を希望するのであれば、あくまでも目安として覚えておいて損はない数字です。また、大学卒の新入社員の平均年収は、厚生労働省のデータによると200万程度との事。ワンルーム、家賃7万円~9万円程度のところに住む前提で考えても、これは何とか自立して生活できる最低限の金額であると思われます。まずはこのくらいの収入=年収200万程度を目指して活動を始めてみてはどうでしょうか。・仮に、1回の本番で得られるギャランティを3万円と考えると、これを年間70本で210万円。つまり週に1~2回の稼働で達成できる数字であると言えます。音楽家のセルフプロデュースとは?セルフプロデュースとは、格好よく自分の写真を撮ったり、きれいな衣装を着て表面的な魅力をアピールする事や、SNSなどに何度も活動のアピールを投稿して自分を大きく見せる事ではありません。自分が役に立てる場所を見つけて、自分を届ける事。つまり、自分自身の適材適所を自分自身でコントロールする事です。この力を身に着けるためには、第一に「自分がやりたいこと」と「人から喜ばれること=収入になる事」は基本的に違う可能性があるのだという事を肝に銘じておいた方が良いです。やりたい事で結果が出るとは限りません。反対に、思わぬ道で花が咲く可能性もある。オーケストラで活躍したくても、手伝いでやっていた音楽教室での評判が良くてレッスンプロになるかもしれないし、また、あなたがビジュアルで勝負する売り方はしたくなくても、世間があなたの美貌にまず興味を持つ場合もあるでしょう。それで良しとするか、あくまで自分の道を貫き通すか、もちろん、最終的な選択をするのは自分自身。ただ、職業演奏家として生きる事と、芸術家である事は分けて考えた方が良いでしょう。音楽家とセルフプロデュース私はいわゆるレコード会社という所で主にプロモーションの立場でアーティストのプロデュースに関わった経験から、ここでは、一つの手段としてセルフプロデュースを推奨します。事務所のマネージャーやレコード会社のスタッフも、アーティストを売り出すためにやっている事は基本的に同じで、特別なスキルが必要な事は何一つありません。ですから、その業務内容をまずは知って、自分のために自分自身でやってしまう事を提案してみます。では音楽事務所やレコード会社は日頃どのような業務を行っているのか。大きくまとめてみましょう。アーティストサポート業務の4つの柱。『制作』・・・CD音源やコンサート、グッズなど、売り物となるコンテンツそのものの製造やその業務進行の管理。→あなたの場合は、演奏技術の鍛錬、演奏会の企画、実施、場合によっては録音商品の制作などがこれにあたります。いわば音楽活動に関するコアの部分。『宣伝』・・・コンテンツを広く世の中に知ってもらうための活動。主に、音楽番組や情報番組などのマスコミを使ったアーティスト情報の発信、拡散の事。また、そのためのキャッチコピーや、売りこみのための資料作り、マスコミ各位とのコミュニケーション。→あなたの場合は、1人でも多くの人にあなたを知ってもらうための活動。ブログやSNSでの情報発信や、積極的に会食やイベントに出かけて行って名刺交換をする事などがこれにあたるでしょう。『販促』・・・いわゆる商品を販売するための、営業活動全般。対象は販売店や顧客であり、マスコミに対する宣伝活動と似ているものの、その対象者が異なる。主に店頭での販売促進活動(ポスターなどのノベルティの企画)や、店頭イベント、サイン会などの企画。→あなたの場合は、演奏会のチケットの販売活動や、演奏会で販売するグッズへのサインや、それらが売れるための具体的な施策を考えて実施する事がこれにあたります。『管理』・・・予算編成や契約などの法務、総務人事経理など会社全体の管理業務一般。→あなたの場合は、日々の帳簿付け、確定申告等がこれにあたります。とりわけ、今のあなたにとって全く未知の領域となるのは、「セルフプロモーション」と「管理」の領域になろうかと思います。クラシック演奏家のセルフプロモーション最初のファンを獲得するあなたの演奏会が毎回満席となるだけでなく、音楽の仕事で食べていけるようになる事。これがゴールだとしたら、そこまでどうやって到達するのでしょうか。何から始めてどうやってあなたのファンを獲得すれば良いのでしょうか?ここでは特別なスキルを持っていなくても、あなた独自で出来る方法を紹介します。少なくとも最初の2年は一歩ずつ確実に、活動の基礎を作り上げる事だけを考える事です。もしあなたの心のどこかに「有名になれば成功できる」というような漠然としたイメージがあるのだとしたら、それは間違いです。偶然何かで脚光を浴びる事がない限りは、マスコミを使った情報の拡散は、まだまだ先の話と考えましょう。また、一時脚光を浴びても、これから述べる基礎の部分が無ければ、それは一過性のもので終わってしまうでしょう。まずは身内と地元であなたのファンを作るこれはまず家族や、兄弟、昔からの友人、同門など、あなたの事を知っていて、いつもあなたに興味を持ってくれる人を指します。この人たちには何があっても、自分で直接会って毎回必ず演奏会の案内をする事です。そして、意外かもしれませんが、これらの人たちにはチケットを買ってもらう事をお勧めします。しかも定価で買ってもらう事が望ましい。気持ちとして、身近な人へ「チケット買ってください」とは中々言いづらいものではありますが、音楽で身を立てていくために努力をしているあなたを見ていれば、喜んで手を差し伸べてくれるでしょう。それがファン。逆に言うと、まず初めにこの距離にいる人をファンに出来ないようであれば、あなたは音楽家として覚悟が足りず、力不足であると考えるべきかもしれません。もちろん身内にチケットを買ってもらう事には、感謝と同時に申し訳なさ、不甲斐なさ、罪悪感も生まれるかもしれません。しかし、この気持ちこそが今後のあなたの活力になります。身内こそ演奏会に招待してあげたい気持ちは重々解ります。それはあなたが完全に自立、充実した活動を出来るようになったときに初めてお礼をすれば良い事です。もちろん、いつまでも家族や友人だけに活動を支えて貰うようでは夢が無いですよね、しかし社会に出た序盤の2年目くらいまでは大いに頼りにして良いのではないでしょうか?お客様に人を連れてきてもらう身内が連れて来てくれる人々を大切にする。この段階までは、顔見知りが多いかも知れませんが、必ず名前と顔、連絡先を覚えましょう。そして、演奏会へ来てくれた日のうちに、お礼の連絡を1人1人にする事です。この人たちを連れて来てくれた家族や友人に誇って貰えるように。そして、もう一度来たいと思って貰えるように。次回の演奏会の案内も必ずしましょう。必ず全員に違う文面で、理想を言うと、メールしたタイミングで電話もしましょう。電話では、①前回来てくれた事へのお礼、②今メールにて演奏会のご案内をした旨の2点を中心に伝え、先方の個性を踏まえた世間話でもすると良いでしょう。もし留守番電話になった場合は、留守番電話に上記2点を入れておくこと。呼び出しても出ない場合は、何度もかけず、折り返しを待つか、かけなおすにしても翌日にするなどすること。決して先方の都合を無視してしつこくしない事が大切です。あなたにとって大切な演奏会でも、他人にとってはあってもなくても良いもの、どちらかと言えば、優先順位の低いものです。この点だけは忘れないようにしましょう。上記のメールと電話の件は相手の個性や考え方にもよるので一概には言えない部分ではありますが、演奏活動序盤のあなたに協力してくれるお客様へは、それが身内であろうと、知り合いであろうと、最大限の感謝と、誠意を伝えなくてはならないのだという事は肝に銘じてほしいです。まずは、貴方の演奏会に必ず来てくれる身内と友人、その知り合いから20人獲得することを目標に活動してみましょう。語弊を恐れず言えば、ここまでは、あなた1人の努力だけで到達可能です。特別な宣伝のスキルも必要ないし、奇をてらった演出も必要ない。もちろんマスコミの力も必要ない。ただ、地道に、愚直に、誠意をもって取り組めば、ここまでは100%の確率で到達できると断言します。お礼は3回1回目は、その場で。2回目は、当日または翌日のうちに電話かメールで 。3回目は、次回会ったときに。 裏を返せば、最低でもご縁のあった人とは3回お礼が言えるくらいのお付き合いをしてみては如何でしょうか?身内以外のお客様の獲得法身内とその知り合いの合計20名に加え、さらに10名呼ぶための活動について。この段階になると、自身で新たに人脈を開拓していかないと難しくなってきます。知り合い伝手に協力者を紹介されたり、演奏会場や、共演者に以前から付いているファンがあなたの演奏会にも来てくれるようになったりするケースもありえるものの、それはあくまでも活動の結果としてついてくるラッキーなケースとして考え、最初から狙ったり期待しない事です。※特に女性音楽家の中にはSNSなどで友達申請をしてくる人を無差別に承認している人を見かけますが、経験上、そのように知り合った人はメッセージやコメントで絡んでくるか、自分をアピールしてくる事だけで、こちらからお願いしても演奏会へ来ることはほぼ無いし、最悪の場合構ってもらえない事を逆恨みして脅迫めいたメッセージを送って来たり、演奏会に来て場を乱すなどというケースも考えられるので推奨しません。余計な気苦労が増えるだけです。地元の自治体へ営業をかける社会に出たら、まずあなたが育った町の自治体へ売り込みに行きましょう。これはどんなジャンルでも同じですが、一気に全国区になるというのはレアなケースであり、長く安定的に活動を続けている人ほど生まれ育った地域とそこに住む人を大切にしているものです。別な言い方をすれば、地元で知られていない人が一足飛びに全国区になるケースの方が奇跡です。確実な1歩の積み重ねが、未来を作ります。アポなし可.商工観光課へあなたの育った地域の役場の商工観光課へ行ってみましょう。アポなしでも大丈夫。商工観光課とは、地元の商業や工業、観光に関する事を取り扱う部署で、その業務に付随して季節のお祭りや商店街のイベント等の企画をやっている部署です。部署の窓口についたら、「すみません、少しお尋ねしたいのですが」とでもいえば、係の人が親切に応対してくれるでしょう。私は、アーティストを連れて商工観光課と呼ばれるところへ100箇所以上営業をかけましたが、一度たりとも門前払いをされたり、不誠実な応対をされたことはありません。時にお茶を出してくれる事もあり、みな親切に応対してくれました。すべてとは言わないまでも、地元のイベントには殆どの場合「ステージ枠」というのがあって、地元有志のバンドや、地元出身の歌手、時にタレントやお笑い芸人などが出演しています。ここに自分をブッキングしてもらう事を目標に、商工観光課へアピールするのです。ポスターや、チラシがあれば、役場内に掲示してもらえることもあるので、結果につながるかどうかはともかくとしても、とにかく行ってみる事をお勧めします。商工会議所(商工会)へ商工会議所とは、地元の企業や商店の担当者が任意で加盟して、仲介や斡旋、経済発展を目標とした連携などを行っている組織です。役場の商工観光課が企画するイベントは、役場スタッフとは別に商工会議所を通じて地元企業と連携して制作されている事が多いのです。従って、商工観光課だけでなく、商工会へも挨拶へ行き、顔と名前をよく売っておくと良いでしょう。最初から仕事へ繋がる事は無いかも知れませんが、何かのイベントや、場合によっては地元の有力者の家族の結婚式などでゲスト演奏を頼まれたりすることもあります。また、商工会議所の人と会えたら、遠慮なく有力者の紹介をお願いしてみましょう。「私のような音楽家でお役に立てそうな人や、クラシック音楽関係をお好きな方はいらっしゃいますでしょうか」このように言えば良いでしょう。稀ではあるが、地元のクラシック音楽博士のような年配者や、クラシック音楽家とコラボレーションを望んでいる企業の広報担当者など、紹介してもらえる場合があります。もちろん、ここでも自身の演奏会のチケットやチラシを置いていく事を忘れないようにしましょう。出身幼稚園、小学校、中学校へあなたが卒業した小学校、中学校へ行ってみる事。恩師がまだ在籍している可能性も充分あります。もし在籍していないようであれば、知っている先生、それも居ないようであれば音楽の先生とアポイントを電話で取り、役場やったのと同じように、自分自身のことをプレゼンテーションしてみましょう。音楽家として生きていくこと、音楽鑑賞教室や、生徒の指導など、役に立てることがあれば是非声掛けしてほしいことなどを伝えれば良いのです。また、直近の演奏会のチラシと招待券も置いていく事です。出し惜しみせず、場合によってはその場で1曲演奏してくると良いでしょう。あなたが余程不義理な生き方をしていなければ、卒業生の音楽家として、温かく迎えてくれるはず。これは、全世代に安定的に愛されるクラシック音楽というジャンルが持つ強みでもあります。「この人の事を他の生徒たちにも知ってほしい」そう思ってもらえるように、存分にあなたの事をアピールしましょう。これらの活動は、営業活動でもあるが、毎回がオーディションのようなもの。音楽の鍛錬と違ったストレスや緊張感を伴うでしょうが、こういった経験を積むうちに、度胸が付き、コミュニケーション力も向上し、それが演奏に良い意味で帰ってくる日が来ます。音楽家は自分との闘いと同じくらい他者とのコミュニケーションが大切です。人との出会いの中で時に傷つき、センスが磨かれていく事でしょう。最初は、怖くて震えるかもしれません。しかし、活動を続けていく中で、最初恐怖すら感じた現場がいつしかホームとなり、活動の発展と共に格別の充実感を得られる日がやってくるのです。運は人が運んで来るものです。その他アポを取って営業をかけるとまでは行かなくても、通っていた美容室、塾、最寄駅、なんでも良いので、思いつくところにはすべてチラシと招待券を持って演奏会の案内をしに行きましょう。恥ずかしがる必要はありません。やらなければ永遠にゼロ。仮に冷たくあしらわれることがあったとしても、元々ゼロなのだからそれがマイナスになる事はまずない。むしろ、思わぬところにクラシック音楽好きと出会えたり、喜んで演奏会に足を運んでくれる人が居る可能性の方が高いです。千里の道も一歩から。音楽家としての序盤は、自分の足を使って宣伝することを絶対に惜しまない事。来る日も来る日も、ひたすらにこのような活動を繰り返しましょう。ある日あなたが行っている活動に日が当たり、一気にワープしたように別な世界へ行ける時が来ます。それが一過性のものにならないように、活動の下地を作るイメージで取り組むことです。さらにその先へ地元の市町村へのあいさつ回りが終わったら、都道府県内のすべての市町村役場と商工会を回ります。自治体の規模の大小により、応対のきめ細かさは変わるが、確率の問題でほぼ確実にイベントやステージの仕事が入るので、決して手ぬかりなく営業活動を積み上げます。各都道府県とも、すべて合わせても数十か所から100箇所程度だと思われますが、自分の育った地域を歩き回っていろんな人と話をすることはなかなか楽しい事ですし、若いうちの気力と体力でしかできない、稀有な体験であろうと思います。時間を上手に管理して、集中的に回るようにすれば、2~3ヶ月もあれば完了するでしょう。招待券について各所においていく招待券は2枚ずつで充分です。もし、それ以上の集客が見込めそうな場合は思い切って手当たり次第にバラ撒くのもありですが、あくまでもそれは最後の手段として考え、2枚以上の場合は理想としては定価販売。もしくは割引販売で対応すると良い。また、この段階までに出会えた人とは、何があっても必ず直接演奏会の案内をする事。また、そのために、名刺交換をしておいて、連絡先を控えておくことをお勧めします。連絡先の管理の仕方名刺から必要事項を抜出し、エクセルファイルにまとめておくと良いです。必要事項とは、所属、名前、電話番号、メールアドレス、住所である。手書きのノートにまとめても良いが、作業の効率を考えると、エクセルでまとめるのが一番。とにかく、人が人を呼ぶという状況を作る事です。どの演奏会でも、いつでもチケットを20枚以上売れる事を目標にして、そういう状況になればもう十分に下地は整ったと言えるでしょう。この状態になって始めて、ステージ上での実力が試されるのです。1度義理で来てくれた人がまた次も来たいと思えるか、初めて来た人が誰かを誘って来たいと思えるか、ここをクリアできればいつしか人が人を呼び、安定して活動が出来るようになる筈です。あなたの最初のファン50名くらいまでは、あまり距離を作らず、親しく、丁寧に応対した方が良いと思います。あなたはこの段階では巨匠でもアイドルでもないのだから、気取ったり、偉く見せたりせずに可能な限り連絡先の交換にも応じる事。ただし連絡先はメールアドレスが良く、プライベート用と仕事用は区別する事。その他のコミュニケーションアプリだと、端末を仕事用とプライベート用で2つ持たなければならない上にチラシなどのファイルの添付が難しく、効率が悪い。従って、yahooやgoogleなどのフリーアドレスを取得し、スマートフォンと連携していつでもリアルタイムで読めるようにしておくと良いでしょう。特に女性音楽家へお客様との距離の保ち方=人間関係の3角形を作る。他意なく丁寧に応対をしているつもりでも、男性ファンがいつしかあなたに特別な感情を抱き、SNSを通じてしつこく誘って来たり、思わぬクレームを言って来たりすることがあります。お客様との一定の距離を保ちながら関係を続けていく事は思いのほか難しい場合があるのです。演奏家は確かに人前に出る仕事ではありますが、芸能人ほどの距離は無く、お客様との接点もあるので、ターゲットにされやすいのだという事を覚えておいてほしい。経験上、上手く行かなくなるのは2人だけの人間関係を作ってしまった場合です。少し面倒なお客様が居た場合は、2人だけの人間関係にせず、話すときは間に共通の知人を入れるなどして、いつも3角形を作ることを意識する。人は誰しも他人の目を気にするもの。相手に他人の目や批判、世間体を意識させることにより、思わぬトラブルを未然に回避できる可能性が高まるでしょう。つづく